君が信じれば、魔神は目覚める


現代、東京……。
この街には、多くの若者たちが生き方を求めてさまよっている。
主人公のカノンもまた、そんな若者の一人。

歌うことが好きだった彼女は、自分の歌で人々が幸せになってくれたらと願い、山形の田舎町から東京に上京してきた。
しかし、幼い頃から人と人とは信じ合って生きるもの、と思ってきた彼女は、東京での暮らしの中で、人に裏切られ、傷つき、人を信じることができなくなってしまう。
そして、愛していた歌までも、信じていた人によって奪われてしまった……。

そんな頃、街には人に恨みを持つ人間が転生した悪霊が、蠢きはじめていた。
悪霊の存在に気づいたのは、オンバケと呼ばれる妖怪たちだった。
彼らオンバケは人間に大切にされ、愛情を注がれた器物や動物が転生したもので、人間たちに恩を返そうと、日夜働いていたのだ。

そのオンバケの中に、ブジンサマと呼ばれる、ひと際大きなオンバケがいた。
ブジンサマは大きな慈悲の心を持ち、それゆえ、その心は悪霊を封じるために必要とされていた。

しかし、ブジンサマは今、長い眠りについていた。
そのため、オンバケたちは、彼に甦ってもらおうと考える。
かつて、彼は歌姫の祈りの歌によって目覚め、人々を救っていたことから、オンバケたちはその歌を歌う人間の女性を、探し始める。

そして現代において、ブジンサマに祈りの歌を歌えるのは、カノンだったのだ。

果たしてカノンは、自らの生き方をみつけ、奪われた歌を取り戻し、さらにはブジンサマを甦らせることができるのだろうか……。


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